2017年にBREAK A SCHOOL が地方各地数か所をまわるツアーをやった時にSTUPID PLOTSの地元福井にも来てくれた。そしてその時に初めてSPRING WATERに会うことが出来た。長野県にこんなカッコいいメロディックバンドがいることをその時まで知らなかった。そして福井と同じ北信越地域でこうして活動をしているバンドがいて嬉しく思った。その後、自分たちの企画PUNK合宿GIGを始めてからは同じ北信越仲間としてどんどん参加してもらっている。同じ地域とは言っても車で5時間ぐらいかかるところをいつも駆けつけてくれる。むちゃくちゃ熱く哀愁溢れるメロディックサウンドと温厚な人柄が最高な樋口君にいろいろなことを話してもらった。( TEXT : Shogo Yamaguchi (ROADSIDE RECORDS . STUPID PLOTS ) 2021 )
Q : Shogo Yamaguchi ( ROADSIDE RECORDS / STUPID PLOTS )
A : Masahiro Higuchi ( SPRING WATER )
(Interview date: December 2021 )
Q1. 自己紹介と今やっている音楽活動(バンド等)について教えて下さい。
A. SPRING WATERというバンドでギターボーカルをやっております樋口と申します。活動拠点は長野県松本市。バーニングサッドメロディックを標榜し活動させていただいております(笑)
SPRING WATERというバンドは実は私が新潟にいた学生時代かれこれ18年前に結成したんですが新潟時代の2年間の活動の後、就職からの停止期間が約8年ありその後、長野へ移住したのをきっかけに新しくまた長野でメンバーを募り再度やり始めてから今日まで約8年が経ちます。
私自身は元々は新潟県出身の新潟県民です。バンドは最近、ベース、ドラム両方のメンバーチェンジがありました。状態的には今はかなりフレッシュなバンド状態かと思います。
Q2. コロナの状況も長引いてきました。この間バンド活動やプライベートどのように過ごしてきましたか?
A. コロナが流行り出した時はどういったものかよくわからず半年くらいスタジオにも入らずに棒に振ったのですが流石にスタジオに入って音出したいよねと思って感染状況が落ち着いたときを見計らってはスタジオに入るを繰り返しながら今に至ります。なので前みたいに定期的に週一というわけにはできてないんですがゆっくりと1ヶ月に1~2回という期間ではメンバー全員で集まってスタジオに入れています。
今年は感染状況が落ち着いている6月に伊那のライブハウスGRAM HOUSEに誘われて1度ライブをやりました。久しぶりのライブはめちゃくちゃ楽しかったのですが早く以前のように県外遠征してみなさまに会いたいな~と切実に思います。
Q3. SPRINGWATERのサウンドはUKメロディック~エモメロディックを思わせます。影響をうけたものや意識している点ありましたら教えて下さい。
A. バンドの音に主に影響を受けているバンドです。
国内 SOMESMALLHOPE、WATERCLOSET、SPRAY PAINT、I EXCUSE、MINORITY BLUES BAND、etc
海外 LAGWAGON、STRUNGOUT、HOOTON 3CAR、CHOPPER、SERVO、LEATHERFACE、THE GET UP KIDS、 TEXAS IS THE
REASON、etc
好きなバンドとなると上記以外もたくさんあってメロディック以外もたくさんありますが例ということで挙げさせていただきました。自分、ピロピロギター好きなのですがローコードを掻き鳴らすのも好きで、自分の作る曲もローコードで弾き鳴らす部分が多くマイナー調な曲も多いためUKメロディックに近い雰囲気を聴いてくれた方は感じられるのかもしれません。曲を作る時に意識しているのはサビですかね。だいたい自分が作る曲はハッキリとサビを意識して作ってます。ただ全編サビ、シンガロングみたいな曲をまだ作れたことがないのでそんな曲を作れる方々は天才だなと思ってしまいます。そんな曲もいつか作れたらなとは思います。
Q4. 東京での活動はいつ頃でどのような感じでしたか?その頃のシーンはどんな感じでしたか?
A. 私が東京でバンド活動やっていたのは大学 3.4年時の2年間になります。まだSPRINGWATERを結成する前の話になるんですが私は当時、山梨学院大学の軽音楽部に所属していたんですが単位を1.2年で頑張って取ったおかげで、なかなか時間的にも余裕があったんですね。なので時間があった私は当時、なんの予定も立てずバンドの街下北沢に行ってふらっとライブハウスに入ってみよう!と1人計画して鈍行を乗り継いである日下北沢まで出てみたんです。それがたまたまシェルターでキャプヘジ(CAPTAIN HEDGE HOG)、ノットリ(NOT REBOUND)、イージーグリップ、サムスモ(SOME SMALL HOPE)が出るセッチュー(SET YOU FREE)をやってる日でして。ってかマジで何も調べもせずそのメンツのライブに辿り着けるあたりがマジで強運だったなと今、振り返ると思います(笑)。
その当時は名前は知っていても実際のバンドのこと(音や生で見るバンドの熱感や迫力)なんて知らずそのシェルターでみたライブをきっかけにマジでオリジナルのバンドがやってみたくなりその日をきっかけにメンバーを東京まで範囲を広げて探し始めたんです。とにかくオリジナルのバンドをやりたい一心で。
そこで知り合ったのがギターボーカルの(現WEIGHTのボーカルをやっている)じゅんちゃん(永島)だったんですけどたまたま一緒に連れてきたドラムも自分と同い年で大学が2人は専修、そしてベースが日女のベーシストという他大学合同バンドが出来上がってそこから自分の山梨、東京往復の日々が始まりました。
曲作りとスタジオに約2週に1回くらいのペースでじゅんちゃんの家に泊まりながらバンド活動を続けて、初めて迎えたライブが西荻窪ワッツでPEACE OF BREAD、UNCHING STYLE、とたしかFEEL LIKE SEVEN TEEN、LEMON JETSとの対バンでした。初のオリジナルバンドのライブでこのメンツと出来るってのも幸運だったなと。
この時のバンド名がSSOLLARR!!ってバンド名だったんですけど日本語ポップパンクのバンドなんですがしっかりメロディックで今、当時のMDを聴いてみても良いなとにやけてしまいます。
ギグアン、エラ、ワープ等何ヶ所かライブをやってぼくらも大学卒業を迎えてしまい就職などで解散となりましたが今も色々鮮明に覚えている濃い2年間でした。バンド活動を行う傍ら足繁く都内であるライブにも通ってたくさんライブも観れたのも今では良い思い出です。
Q5. 長野のシーンはどんな感じですか?また長野(地方)での音楽活動で意識していることや想いはありますか?東京での活動と違い(差)はどのように感じますか?
A. 長野県内のシーンはやはり都会に比べるとバンド人口は少なくなるのでライブ出よう!ってなった時はもはやジャンルは関係なく老若男女も関係なく、っていう風になるように感じますね。ただライブハウスの数はそれなりに多くってライブハウス毎の色は強いよな~と思います。ジャンルが偏らない分、自分的にはライブやるごとにいろいろ感じることもあってそこは良い面だな、と個人的には思っています。
県外に企画で呼ばれるときのライブと明らかに県内のライブの雰囲気は違ってうちらのことを事前情報なしに初見で見る方のほうが圧倒的に多くてそういった中でやるのはバンドとしては成長できるしある意味楽しみでもありますよね。
Q6. 初めてバンドを組んだのはいつごろでどんなバンドでしたか?
A. 初めてバンドを組んだのは大学2年生の秋で前述したとおり大学で軽音部に入っていたんですがそのときに組んだバンドが人生で初のバンドでしたね。
山梨にシンガーソングライターとして活躍する&AKI&って人物がいるんですが彼女に声掛けられて椎名林檎やホワイトベリーの夏祭りとかのコピバンをやったのが初のバンドでしたね。最後は卒業ライブでサムスモのコピバンやって卒業したんですが思い出深いバンドでした。名前はRIZE MENというバンドでしたよ。当時は軽音部の部室に入り浸っていてもはや部室で生活してんじゃないかってくらい長い時間いて。ご飯はコンビニバイトでもらう廃棄弁当食べて生活してました、笑。メロディック、メタル、アコースティックインストプレイヤー、JPOP、いろんなジャンルのプレイヤーがいたんですがみんな仲良くて本当に音楽的にも人間的にも今の自分を作ったといっても過言ではないくらい多大な影響を受けました。現在プロでテレビに出たりしてるプレイヤーもいますしそんな奴らと一緒にいれた学生時代は本当に宝物のような時間でした。
軽音にはNOB、O-front、SETSCREWなど同期のメロディックシーンで活躍してるバンドもいてめちゃくちゃ刺激をたくさんいただいた大学時代でした。前述した東京で組んだバンドも含めバンドバンドで終わった大学4年間でしたね。
Q7. これまでのバンド遍歴も教えて下さい。
A.
バンドの経歴的にはこの後、新潟に移動しSPRING WATERを結成することになりますが新潟時代もかなり熱い時間でした。
大学を卒業した後1部上場企業に就職が決まっていた私ですが何を血迷ったのか突然、就職をキャンセル、ある専門学校に行きたい!となり新潟へ引っ越します。大学4年間行ったあとのさらに3年間の学生生活の始まりです。
その間やはりバンドがやりたくてメン募でとあるメロディックのバンドに入ったんですが1年くらいで脱退と相成りました。
音楽で初の挫折感といか我儘を貫き通してみんなに迷惑をかけてやめる形になりかなり凹みました。今でもメンバーだった方々には申し訳ない気持ちがありますしもうちょいそん時上手く自分は出来なかったのだろうかと考えることがありましたが、それを期にわかったのは自分は自分のバンドをやったほうが良いという目覚めみたいなものでした。やりたいことがあるなら自分で動いてやってみな、っていう。そしてメン募をして集まったメンバーが初期のSPRING WATERのメンバーです。
当時my spaceっていうサイトがあって今でいうBand campみたいなもんなんですがそこに曲を載せたら意外に聴いてくれる方がいてそこから本格的に曲も作りだしライブもやってって自分で動くという礎を築いた3年間でしたね。
新潟のバンドといえばSPRAY PAINTなんですが他にもNO SURPRISE、JOY、Dr.snitch等めちゃくちゃカッコいいバンドがいてよくライブを見たのを覚えています。
さて、その新潟での3年間が終わり自分はそこから千葉の流山に引っ越すことになります。就職です。そこから自分はバンドは出来ず暗黒期に突入します、笑。完全に社会の厳しさに飲み込まれたのです。その後、埼玉の上尾に引っ越し長野に移住するまでバンドらしいバンドは出来ずじまいでしたね。やりたかったんですがね。 前述しましたがその後、長野に移住したのをきっかけにSPRING WATERを再開し今に至ります。
Q8. バンドを始めた頃の夢や目標はありましたか?また現在の夢や目標はありますか?
A. バンドを始めた頃の夢は好きなバンドと一緒にライブをやりたい、ってのが純粋に自分の目標でした。
なのでそれを思うと既にだいぶ叶ったなと思って。
そして現在の夢も同じなのでこれからもっと叶えていけたら良いですね。 あと自分、バンドやって音出してるだけで楽しい人間なので自分のバンドがああなりたい、こうなりたいっていうビジョンがあまりないかもです。けど自分達のバンドだけが出せる雰囲気とか音は追求していきたいなって気持ちはあります。
Q9. 人生においての重要な5曲(またはバンド、音源単位でも)を教えて下さい。その曲についての思い出やエピソードも教えて下さい。
A.
① I Wanna Get The Shock/SOMESMALLHOPE
私がオリジナルのバンドをマジでやりたいと思うきっかけとなった曲。前述した下北沢でのライブを観て衝撃を受けたのですがそれがきっかけでサムスモにどっぷりとハマり最早サムスモの追っかけみたいにライブに遊びに行き新潟時代にはついに企画ライブにも出てもらった思い出のバンドの最初期音源です。メロディックとエモの融合。めぐさんの儚げなボーカルと男女混成ボーカル、ツインギターの絡みに涙が。マジでライブ観て何回涙がこみ上げたかわからない。自分らの企画に呼んで初めて対バンできたとき嬉し過ぎて自分のバンドの演奏中に泣きながらライブやったという思い出が。前にも後にももうそんなことはないです、笑。それだけ大好きだったし尊敬しているバンド。ちなみにSEVEN INCHCHORDのSTILLって曲も大好きで大学時代、毎日のように聴いていました(笑)。
② TRAIN TRAIN/ THE BLUE HEARTS
私がバンドが大好きになるきっかけとなった曲。小学4年生のころ近所の友達の兄ちゃんからもらったカセットテープに録音したものが入ってて子供ながらになんてカッコいい曲なんだろう!と感銘を受けた1曲。これが自分のパンクロックとの初の出会いでした。
③ every little thing every precious thing/ LINDBERG
中学時代まで陸上をやってまして1500mで全国大会まで行ったんですが同時に足を故障してしまいまして高校の時にその故障とその時の指導者への反感とかその他もろもろが重なってしまい人生初の挫折。やり切れない思いの中出会ったのがこの曲ですね。ここまで頑張った結果がこれだけど全ては無駄なんかじゃないと、これからが勝負だと思わせてくれた1曲。陸上を辞める時は涙したからもう好きなことを辞めるのは辞めようと心に誓わせてくれた1曲です。この曲を聴くと当時の悔しさとか苦しさとか鮮明に思い出しますがそういった曲って貴重ですよね。 LINDBERGは小学生の頃から大好きでブルハと並んでほんとによく聴いてたバンドです。あっ、この曲といえば阪神ファンの方は藤川球児選手思い出しますかね。
④ Owen Meany/ LAGWAGON
これぞ哀愁メロディック、という曲の始まりから終わりまでずっと鳥肌が立つ1曲です。イントロのストリングが斬新で泣くようなメロディで歌うジョーイ ケープのボーカルに涙が。この曲が入ってるLet's talk about feelingsというアルバムは本当にCDが擦り減るくらい聴き込んだ名作です。
⑤ Matchbook/ STRUNG OUT
Twisted by designっていうアルバムのラストに入ってる曲。初めて聴いたときに衝撃をうけたのはメロディックなのにメタリック。そして一言でいうと異次元。と、正に三拍子揃ったバンドSTRUNG OUT。自分、この曲のイントロにマジで異次元を感じちゃって。このアルバムカッコよすぎて昔、バンドやれてない時代に耳コピでこのアルバムの曲だいたいコピったんですがそれが良いスキルアップに繋がったなと今になって思います。ちなみにストランはチューニングは全曲一音下げです。豆知識でぜひ、笑。
あと上記5曲の中でUKメロディックがないじゃないか!って言われるかもしれないんですが私の初めてのUKメロディックとの出会いはSNUFFです。SNUFFのDemmamussabebonkっていうアルバムに高校生の時に出会って以来どっぷりハマりましたね。Tweet Tweet My Lovelyもよく聴いたアルバムのひとつです。
あえての5曲。難しいすね(笑)。
Q10. これまでに観たライブで特に印象深いライブを3つ挙げて下さい。思い出やエピソードも教えて下さい。
A.
① 2001.6.17 下北沢SHELTER SET YOU FREE Vol.41
前述したライブです。ふらっと入ったこのライブでサムスモと出会ったのがどっぷりこのシーンにハマっていくきっかけとなりました。そこから好きなバンドがどんどんどんどん増えていってライブ行きまくりの日々になりましたね。良き時代でした。
② 2004.12 新潟市のどっか高田渡 ライブ
私の新潟時代の話ですが高田渡さんが新潟に来るということを知りこのライブは逃すことが出来ない!ということで行ったのがフォーク界のレジェンドのライブでした。曲が素朴なんだけど内容はめちゃくちゃ鋭いよなという印象の方です。ライブはやはりお酒を飲みながらライブ中に寝てしまうんじゃないかという感じのゆったりとした時間が流れるライブでした。生活の柄とか聴きながらすごく温かい気持ちになったのを覚えています。かなりインパクトのあるライブだったんですよ。だから覚えてる。酔っ払いだろうがなんだろうが良いものは良いしなんか音楽のパワーを感じたそんなライブでした。そのライブをみた約半年後に逝去されたとの話を聞きライブ観れたのがほんと奇跡的なタイミングだったなと思いましたね。
③ 200?年 I EXCUSE
新潟時代に小千谷、たしかナイルスタジオでI EXCUSEが来てライブを観ることが出来たのですがほんと好きなバンドだったのでライブ観れて感動したのを覚えています。ツインギターが醸し出す哀愁たっぷりな音とゴンさんの鬼のようなボーカルが最高過ぎて。音がパッと聴いたときにメタリックだなって感じたのを今でも覚えています。かなりタイトな音だった印象です。結局ライブは1回しか観ることが出来なかったけどしっかりと胸に刻みこまれたライブでした。
Q11. これまでやってきた自身のライブで印象深いライブをいくつか教えて下さい。思い出やエピソードも教えて下さい。
A. 思い出深いライブ。結構あるんですがやはり県外に呼ばれてやったライブってかなり思い出に残りますよね。
初めて県外に呼ばれたのが現SLUGGER MACHINEの吉野君がやってたCASSETTE CASE BOYSの企画で横浜の関内でやったんですけどめちゃくちゃ燃えたの覚えてます、笑。CHIPPENDALEとの出会いもあって一気に広がった日でしたね。打ち上げがスタジオで各々好きな音楽かけながら楽しい時間過ごせたのが凄く印象深く残っています。とにかく楽しかった。
あとはやはりPUNK合宿GIG。PUNK合宿GIGって全てが最高だし凄いと思います。出演バンド最高だしペンション最高だしロケーション最高だし温泉も最高だしで最高づくめ、笑。こんな最高なライブイベントマジでないと思いますよ。
そんなライブにSPRING WATERも何回も出させていただいてほんと感謝しかないです。早くまたみんなで集まりたいですよね。
次までにはバンドもさらにパワーアップしとくんでまたよろしくお願いします!(笑)
Q12. 最後に読んでくれた皆さんにメッセージをよろしくお願いします。告知もありましたら!
A. なんか私のバンド人生を振り返ってみたいになりましたが読んでいただいたみなさま本当にありがとうございました。ご縁があってこうやって繋がることが出来たことに感謝しています。そしてこれからもSPRING WATERをよろしくお願
いします。終わりに久しぶりの新録をセルフ録りしてみたラフテイクなんですが置き土産に置いて帰りますのでよかったら聴いてみてください(下記URL)。
ぜひライブ見てみたいななんて思った方がいらっしゃったらまた声掛けてくださいね~!
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