【PUNK合宿GIG Vol.2 回想】
PUNK合宿GIG Vol.1を終えて反省会をして、すぐに企画した2回目のPUNK合宿GIG は冬、12月になった。
企画を立て始めた時はVol.1の勢いである程度スムーズに計画が進んでくれると思っていた部分もあったけど、
そんなに甘い訳はなく、想像以上に厳しいスタートになった。
一回目が終わってからのインターバル3か月、冬季はスキー場になる雪深い一里野高原という立地などから、
第一回の内容をSNSや口コミで知って興味を持ってくれているバンドがたくさんいることは肌で感じていたけど、
なかなか参加してくれるバンドをあつめることができなかった。もちろん12月は仕事などで忙しい時期であることは
ある程度想定していたけどかなり厳しい状況だった。。。それは、いろいろと工夫したこの企画自体を成立させることが
難しくなる大きな問題になる。そんな中、Vol.1と共通バンド以外ではSPRINGWATER(長野)とBEAT GENERATION(石川)が
参加を決めてくれた。STUPID PLOTSとはBREAK A SCHOOL 福井編で一緒にやったことがあって、
北信越勢としてぜひ参加してほしかった長野のSPRINGWATER。そして同じ北陸で長く活動してきたにもかかわらずお互い違う
シーンということもあって共演の機会に恵まれてこなかった石川のBEAT GENERATIONにはBARRELが声を掛けてくれた。
この2バンドが参加してくれることになって本当に嬉しかった。そして今後もたくさんのバンドに参加してもらって
PUNK合宿GIG がバンド同士のそういった出会いや繋がりのきっかけになっていくことができたら素晴らしいことだと思った。
準備段階で自分が想定していたところに届いていないことに不安を感じながら本番当日をむかえることになったけど、
あとはそこに参加してくれたみんなに満足してもらえるように一生懸命やるしかないと思っていた。
でもそんな心配をよそに各バンド本当に最高のライブをしてくれた。終演後にはみんなで温泉につかって語って、
おいしい鍋と酒で夜通し語り、好きなCDをかけて音楽談義をしたり。。。想像していた以上の最高に楽しい空間があった。
あと、忘れることが出来ない想定外のことといえば、内情はともかく(笑)、
あの寒い一里野の夜中に暖をとれず極寒のなか朝を迎えることになったのは今となっては笑い話だ。
いろいろ打ち上げで語り合っている中で参加バンドの一人がこんなことを言ってくれた。
「今日のライブ久しぶりに緊張したよ」
そう言ってくれた時の表情を見て本当に感動した。
僕の見通しの甘さからフロアを”そこそこ”の状態にすることも出来なかった。。。そんな状況でも本気のライブをやってくれた。
普段はもっとたくさんの人の前でライブをやっているにもかかわらず「楽しかった」とか「最高だった」といった
ありがたい言葉と一緒に言ってくれたその意味深い言葉が、PUNK合宿GIGでやろうとしていることを再認識させてくれた。
自分にとって、この企画でしか出来ないことをこれからもやっていきたいと思わせてくれた出来事だ。
月並みな言い方かもしれないが同じ「楽」という漢字でも「たのしい」と「らく」は少なくとも自分にとっては同じではない。
楽しければいいの?っていう疑問を持たれる場合もあるだろうと思うけど、楽しい場所をつくるためには、
いろんな「楽しくないこと」をクリアしないといけないし、いろいろな負担や努力も必要だ。
そして独りよがりだったり自分勝手でも成立しない。
自分にとっては「ただ楽しい場所(企画)」を創るハードルは決して低くない。とても難しく「らく」ではない。
そういう意味ではいろいろなことをクリアして手にすることを前提に、先の疑問には「楽しければいい」って答えるだろう。
これからもみなさんの力を貸してもらいながら、PUNK合宿GIGが参加してくれる人(参加バンドもお客さんも)にとって、
そしてもちろん自分自身にとって「楽しい場所」になるようにしていきたいと思っている。
2018年12月15日あの最高の時間を共にしたみんなに感謝。
TEXT 山口ショウゴ / STUPID PLOTS / ROADSIDE RECORDS 2020. 3/8